人生はあてのない旅のようだと、だれかが表現していたが
私は、人生は名前の無い戦いだと表現したい。
みんな何かと戦っている。
大きくなれば、いつかはわかる
いつかは自由になれるのかなと思っていたが
見えるものが多くなるほど、
出会う人が多くなるほど、
その名前のないモノとの戦いは、
年をとる分、複雑になっていった。
名前のない戦いは、疲弊がハンパない。
砂漠の中、オアシスがどこかにあるかも解らず放浪するかのごとく、
ここではないどこか、に自分の安息があるのではないか
そんな蜃気楼のような希望を懐きつつ、
名前のない戦いを日夜、繰り広げる。
あぁ、山月記の主人公はきっとこんな気持ちで虎になったんじゃなかろうか、
私は、虎にもなれそうにない。
どうせ生きたまま腐るなら、納豆ぐらいにはなりたいものだと思った時
名前の無い戦いに、勝利した存在に出会った。
勝利した存在は、勝利しただけあって
ホントの戦い方を教えてくれた。
憎しみや怒りや憤りこそが疲弊の原因であり
赦しとは
愛とは
希望とは何なのか
を
血と汗が乾かないまま語ってくれた。
世界に溢れている戦いを終わらせようと
自分を差し出した、その存在が
どんな勝利をしたのか
知れば知るほど、永遠が
遠くなく、
実際なんだなあと理解できるようになった。
戦いはまだ続いてる、
でも
戦いの終わらせ方を知ったから
疲れても
倒れても
また立ち上がれる。
ただ勝利者の手を取れば、良いのだから。